050601 on 15:08

■爆裂方言・酒地獄

 父の法事がありましてですね。二十七回忌。
 マウチがこの世に生を受けた地に行ってまいりました。
 
 生きていたら、父は今年で還暦。
 そしてマウチは今年で父が他界した歳。
 
 叔父の家での法事なので、飛行機で羽田からひとっ飛び。
 機内アナウンスで「シートベルトはずしてもいいぜ」と言われたときは、
 もう既に福島県上空でした。
 
 叔父、と表記するからには父の弟の家な訳です。
 父は長男ですからね。伯父はいません。伯母はいるけど。
 うわぁ、ためになるなぁ、sketch-book。
 
 
 でね。
 マウチはさ、東北ネイティヴだからいいよ。
 ヒアリングもできるし、話せるし。
 
 可哀想なのはダーリンだったんだよね。
 
 叔父は小さい頃一緒に住んでいたこともありまして。
 祖父、祖母、父、母、叔父、マウチ、妹。
 絵に描いたような典型的な田舎の家族構成。
 それはもう、小さい頃から可愛がってもらってるんですよ。今でも。
 
 叔父の長女曰く「父さんは実の娘や息子よりマウチ姉さんが可愛いから」だそうで。
 いや、これね、笑い話のようだけど、親戚一同みんなそう言うんだよ。
 
 伯母の旦那さん(義伯父?)もダーリンに言ってました。
「あのや、こいづは異常なんだが特殊なんだがわがんねぇくらい、
 小せぇどぎがらマウチのごと可愛がってでや。娘より可愛いおんだもんなぁ」と。
  訳:あのね、この人は異常なんだか特殊なんだか判らないくらい、
    小さいときからマウチのこと可愛がっててね。娘より可愛いんだもんなぁ。
 
 そして叔父は照れ隠しに反撃。
「なーに、おめだっていってば○○(マウチの妹)、○○ってやぁ。
 おめの娘より○○どごばり手かげでらべしゃ!」
  訳:なにさ、お前だってなにかっていうと○○、○○ってさぁ。
    自分の娘より○○にばっかり世話してたじゃん!
 
 なんつーか、早くに父を亡くしたマウチ姉妹は
 親戚の皆々様に非常に可愛がってもらっていたのですよ。
 ありがたいことです。本当に。
 
 
 まぁ、法事も済むと宴会が始まり。
 ここにくるのにパスポートが必要だったんじゃないかと思うほどの、言葉の違い。
 しかも酔ってるから更に聞き取りにくい。
 
 ダ:マウチ、わ、判んないよ。通訳して。
 
 この台詞が何度となく小声で囁かれておりました。えぇ。
 可哀想にダーリン。
 異国にひとり放たれた、生まれたての子羊のようでしたよ。
 
 かといって、遠慮して無理して標準語を話すような人たちでもないしね。
 つーか、標準語ムリだし彼ら。
 
 
 話題の中心は、やはし父の思い出話になる訳で。
 
 一升瓶の首じゃない太い本体の部分を左手のみで持ち、
 こぼさずに手酌ができないと怒る、とか。
 
 一升瓶の残りが少なくなると、瓶の底を鷲掴みにして酌をしだす、とか。
 
 複数で飲んでるのに一人ずつ一升瓶抱えて飲むのがデフォルトだった、とか。
 
 冬に酔っ払って帰ってきて雪かきして家の前に積んであった雪の上で寝ちゃって、
 母、祖父、叔父の三人がかりでソリにのせて家まで引きずって運んだことがある、とか。
 
 酔った話ばっかだよ!
 
 
 叔父がダーリンと妹の旦那を呼び寄せて言いましたよ。
「おめだづ、親父いねくていがったなぁ。
 あれだっきぁ娘好ぎで好ぎでどうもなんねぇやづだったいにや、生ぎでれば
 結婚するってば“俺より酒飲めねやづさ嫁にやらいね!”だのってクダ巻がれでれぁ」
  訳:おまえたち、親父(マウチ父ね)いなくてよかったなぁ。
    あの人は娘好きで好きでたまらない人だったからさ、生きてたら
    結婚するなんつったら“俺より酒が飲めない奴には嫁にやらん!”とかって
    クダ巻かれたな。
 
 マジ、ありそうな展開なんですけど。
 想像できるだけに怖いよダディ…。
 アナタより飲める人はいないよ。
 
 
 もはや酔ったとはいえない、へべれけ状態のオヤジ共の相手をするダーリン。
 東京からマウチが旦那連れて帰ってくる、ってんで、
 どんな連絡網があったのか知らないが、来るわ来るわ、あとからあとから続々親戚が登場。
 すでに動物園の珍種扱いなダーリン。うぅぅゴメンよ…。
 
 飲み始めたのが、昼食から。
 親戚たちが引き上げたのは夕方だけど、その後も叔父と義伯父に囲まれるダーリン。
 しかも言葉が半分しか通じない。いや、半分以下だったかも。
 
 従妹:うわぁ、気の毒だダーリン。
    あの二人に捕まったらもう解放されないよ。
    もう来ないとか言うんじゃない?
 
 ホントだよ…。
 その状態で夜中12時くらいまで飲んでたんだから。
 協調性のないダーリンですが、頑張って付き合ってくれました。ありがとう。
 
 
 翌朝、飛行機が早かったので7時に起きたのですが、
 目覚ましで起きられなかったマウチたち。
 
 さんざん飲んでグデングデンだった叔父が、
 超爽やかに「おぅ! 起ぎれ!」と起こしてくれました。
 
 ダ:なんであんな飲んだのに清々しい顔してんだよ叔父さん…
 
 
 田舎の人は酒に強い、というのを身をもって体験したダーリンでした。


written by march | Comment(11) | TrackBack(1) | ■Notes
■Comments for This Entry
元夫のお父さんが宮城出身で、
結婚式は相手の親戚一同の発音に???の連続でした。
ダーリンさんの困惑お察ししますw

活字にすると宮沢賢治風に暖か味のある言葉も、
ヒアリングにはなかなか向いてないんですよね…。
Posted by 和泉 at 050601 on 20:48
なんかすごいわかるよぉ
わたしの母が山形なんですけどね。
母の実家行くと、一番のおもてなしが食べ物勧める、お酒勧める!なんですよね。
相手がどんな状態だろうととにかく「飲め!食え!」(笑)
一緒のペースで飲んだら負けです。はい
Posted by あっぴぃ at 050601 on 23:56
■和泉さん
うわぁ、お父様は宮城県民ですか。
マウチの今の実家は仙台ですよ。
仙台もなぁ、ちょっと駅前から離れると方言すごいし…

ヒアリングも難しいけど、ライティングにも向いてないんですよね。
適当なひらがながみあたらない。


■あっぴぃさん
おぉぉ、ここにも東北血筋が!
そうそう、とにかく“食え! 飲め!”なので。
ありえないくらいの量を準備してくれているので、
残すのも悪いなぁ、とか思ったら負けです。ずうずうしくいかないと。
お酌される前に、相手の手から酒を取り上げてお酌し返す。
これ、生き残りの鉄則。
Posted by march at 050602 on 13:50
ああ、まんずめんこいおぼこだったんだねぁ、マウツは。

マウツ。

おかしい、僕東京生まれの江戸っ子なのに、通訳要らず。

だー、次はオマケでイオリンどうよ?どうよ?
代わりに酒も飲むからさぁ。←(やっぱりそっちの血混じり
Posted by 伊織 at 050603 on 00:15
■イオリン
ヤバい。
マウツがかなりツボだ。何で複数系(いや違うし

イオリンだったら親戚どもに付き合えるかなぁ。
でも奴等、一升飲んでもクルマで帰るよ(運転すんなよ
Posted by march at 050603 on 09:01
いや、大丈夫だ。
田沢湖におまわりさんがいたのは見たことないから。

よく子供ん時従兄弟とじさまのスクーター乗り回したっけな。

マウツも運転は気をつけれよ。(マウツにくびったけ
Posted by 伊織 at 050604 on 10:53
■イオリン
あぁ、イオリンなら親戚どもにモテモテだろうなぁ。

「伊織ちゃん、こっつさもお酌してけれでば!」
「はーい!」(←超笑顔

見える…絵図が見えるよ…
Posted by march at 050604 on 15:42
そしてそのまま地獄絵図に…

とりあえず初日飲むでしょw
次の日二日酔いで迎え酒でしょw
三日目は再起不能で飛行機乗れないでしょw

4日の日程でよさそうだよ(何が
Posted by 伊織 at 050605 on 11:13
■イオリン
次、法事とかあった場合は影武者でお願いするよ。
叔父の家は広いから長居しても大丈夫(何が
Posted by march at 050606 on 08:51
Fordさんのブログから飛んできました。

私の両親は山形出身。
両親の田舎に帰ったみたいな気分になる...

こさこぉ。
まぁんず、こさきて、ままけっ!

みたいな感じで、朝から飲め、食え攻撃だったのが思い出されます。
Posted by JacquesV at 050618 on 22:22
■JacquesVさん
そうそう、朝起きた瞬間から「まんず、ままけでば!」

朝イチから肉とか肉とか肉とか食えません。
田舎の人はタフだなぁ。帰るたびに思います。
Posted by march at 050620 on 10:30
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私(Ford)には、わからない・・・
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