060816 on 22:04

■はだしのゲン / 中沢 啓治

はだしのゲン (3) 忘れもしない小学2年生の頃、学級文庫に先生が置いてくれた。
 戦争のお話で、大切なことが描かれているから読むように、と、
 朝の会で先生が言ったのを憶えている。
 
 小学生当時は右の画像のような装丁じゃなかったな。
 中公文庫じゃなくて、汐文社のやつね。
 
 戦争のお話、と言われてもピンとくる年齢でもなかったけど、
 なんとなく借りてみた。
 
 それがトラウマになろうとは、そのときは思いもしなかったんだ。
 
 
 あらすじはみんな一度は読んだことがあると思うので割愛。
 
 とにかく「戦争のお話」ということしか事前情報がないままに読み出したのだけど、
 そのインパクトは小学2年生にはちょっとキツすぎた。
 
ゲン.jpg 汐文社の1巻は、ゲンのお父さんが「戦争反対」を貫いてて、
 中岡家が非国民扱いされてることが中心。
 
 マウチのトラウマになった、汐文社の2巻では、
 とうとう昭和20年8月6日午前8時15分に、
 その愛称を“リトルボーイ”と命名されたウラニウム爆弾が、
 エノラ・ゲイによって、広島市上空高度31600フィートから
 産業奨励館(原爆ドーム)目がけて投下されてしまう。
 ※どうでもいいけどクリックで拡大→
 
 はだしのゲンといえば、原爆投下後の地獄絵図のような街の中を、
 はがれた皮膚を指先から垂らして歩く人々の姿を思い浮かべるのが大半だと思うけれど、
 マウチのトラウマはその姿じゃなかった。
 
 原爆投下によって、全身にガラスの破片が突き刺さってしまった人の姿。
 
 確かに、皮膚が垂れ下がった姿もありえない姿ではあるのだけど、
 小学生にはあまりリアルではなかった(マウチにとっては)。
 
 ガラスの破片が、それも全身に突き刺さることなんてそうそうありえないと思うのだけど、
「外を歩いているときに民家のガラスが飛んできたらどうしよう」
 と思ってしまった。
 そんな小学2年生。思ってしまったんだから仕方ない。
 
 その後、外に出るのが怖くて怖くて仕方なかった。
 エレクトーンのレッスンに行くのに歩いて20分位の道のりが、イヤでイヤで。
 それこそ民家の間を縫って歩いていくので、極力道の真ん中を歩いていた。
 超ビクビクしながら歩いていた。
 クルマにクラクションを鳴らされても、あまり端には寄らなかったりもした。
 できることなら、一生家の中で暮らしてしまいたい、とすら思った。
 
 まぁ、今考えるとおかしな子供だな、と思うよ。
 でもね、そのくらいインパクトがあったんだ。あの、ガラスの突き刺さった姿。
 
 はだしのゲンは、結局その後、最後まで泣きながら読んだ。
 戦争は物理的に人間を責め苛むだけでなく、精神的にも追いつめるのだと、
 子供心に恐怖心でいっぱいだった。
 
 おばあちゃんが、パラパラとめくっただけで本を閉じてしまったのだけど、
 その気持ちも今なら判る。でも何となくでしかない。
 戦争を体験したおばあちゃんにとっては、とても読める話ではなかったのかもしれない。
 
 それ以来、この時期になると、このことを思い出す。
 そして、つい、民家のガラスを気にしてしまう。いまだに。
 
 
 ちなみに余談だけど、汐文社の3巻の初版には乱丁があるんだよね。
 64ページ→97ページ〜128ページと進んで、また97ページに戻っちゃう。
 ページ数からして4折くらいなのかな、97〜128ページって。
 3折がないの。3折のかわりに、4折が2回入っちゃってる。
 3巻初版を持ってる人は、確認してみたらいいよぅ。
written by march | Comment(2) | TrackBack(0) | ■Reviews
■Comments for This Entry
あちきは『梅干しが食べたい…』としゃれこうべをバケツに入れて運んでいるのが残ってまつ。(´ω`)

実写版はもっとキツイよん。(・∀・)ノ
Posted by ヒゲジカタビ at 060831 on 13:00
■ヒゲさん
あー、ゲンの弟に似た子がいる、子供たちの仲間の一人だよね?
梅干し食べたい、って言いながら死んでしまう…。

学校によっては、映画を全校生徒に見せたところもあるみたいだねぇ。
残念ながら実写は観たことないんだけど、いやぁ、そりゃすごいだろうねぇ………
Posted by march at 060901 on 14:00
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